喫煙に関連する肺疾患の早期指標となるバイオマーカーの探索的研究

研究責任者

京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病研究センター 松島 晶

研究の目的

喫煙は慢性閉塞性肺疾患や喫煙関連間質性肺炎などの疾患と強い関連があります。現在これらの疾患を治すことのできる治療法は存在しませんので、できる限り早期の卒煙(禁煙)で病気の進行を遅らせることが大切です。 しかし、多くの患者さんが咳、痰、息切れを自覚され病院を受診されるのは 50 歳以降であり、その時点ではすでに深刻な肺の傷害が生じています。 一般に、これまでの人生で吸われたたばこの総量が多いほど、上記の疾患の発症率が高くなることが知られています。 ただし、たばこの本数が同じでも肺が障害を受けやすい方とそうでない方がおられます。 血液や尿や組織に含まれる、タンパク質などの物質で、症状の変化や治療に対する反応に相関し、指標となるものを「バイオマーカー」といいますが、このバイオマーカーにより喫煙される方の肺が障害を受けている兆候を早期に検出することができれば、深刻な事態に至る前にご自身で卒煙の決断をされる一助となることが期待できます。 医学的な検査には様々な種類が存在しますが、この研究では身体的負担が少なく、大きな設備を必要とせず、またより多くの方に受けていただける検査を開発することを目指し、喫煙による肺の傷害を敏感に反映する血液検査項目を発見することを目的とします。

研究期間

この研究を実施する期間は、2019 年度の倫理委員会で承認された日から 2024 年 3 月 31 日までの予定です。

研究の概要

この研究では、様々な喫煙歴を持つ方やたばこを吸われたことのない方を対象に、任意型検診(人間ドック)の採血でいただいた検体を用いて血液中の多くの情報伝達物質の濃度を測定します。 この結果や、検診で行われた各種検査の結果を肺の PET-CT 検査の結果と比較検討し、たばこの本数や肺の傷み具合と相関する項目を探します。

倫理審査委員会での審査と研究機関の長による承認について

この臨床研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究方法が医学的に適切であり患者さんの人権が守られていることが確認され、研究機関の長(医学研究科長・附属病院長)の承認を受けています。

利用する試料・情報について

この研究では、京都大学医学部附属病院 先制医療・生活習慣病研究センターで検診を受けられ、「先制医療・生活習慣病研究」(承認番号 R0619)の参加同意書に同意をされた方を対象とします。 上記の同意に基づいて利用する試料と情報は下記のとおりです。

今回の研究のために、新たに追加の検査を受けていただくことはありません。 また、この研究に用いられる情報は個人が特定されない方法で収集・解析され、京都大学医学部附属病院の内部で厳重に管理・保存されます。 お名前・住所などの個人情報が本研究で利用されることはなく、あなたのプライバシーは厳重に守られ一切公表されません。

研究の試料・情報の管理について責任を有する者について

この研究の試料・情報の管理の責任者は、 以下の通りです。

〒606-0807 京都市左京区聖護院川原町 54

京都大学医学部附属病院

先制医療・生活習慣病研究センター 松島 晶

研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧について

この研究の内容をより詳しくお聞きになりたい場合には、研究に参加されている他の研究対象者等の個人情報等の保護や研究に支障が生じない範囲内で、研究計画書や本研究に関する資料を閲覧することができます。 ご希望される場合には、下記までお問い合わせください。

研究資金・利益相反について

この研究に用いられる研究資金の種類および提供者は以下の通りです。

研究資金の種類:

この研究への参加の拒否について

この研究の対象に該当する場合であっても、ご希望があればその方のデータをこの研究に用いることは致しません。 その際は、いつでも下記「研究責任者」「相談窓口」までご連絡ください。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

〒606-0807 京都市左京区聖護院川原町 54

京都大学医学部附属病院

先制医療・生活習慣病研究センター 松島 晶

Phone 075-754-0073/FAX 075-754-0076

京都大学医学部附属病院 相談支援センター

(Tel) 075-751-4748 (E-mail) ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp